九州の高速乗り放題は元が取れる?まんきつドライブパスを実額検証

ぎゅぎゅっと九州まんきつドライブパスは、普通車5,600円〜10,600円で九州の高速道路が乗り放題になる期間限定パスです。ただし安くなるのは「たくさん走る人」だけで、公式サイト自身が「区間・時間帯によっては通常料金のほうが割安になる場合がある」と明記しています。

さらに、お盆・GW・シルバーウイークなど家族旅行が集中する時期は、年間で約40日そもそも対象外です。2026年8月時点では、熊本地震の影響で通行止めが続いている区間もあります。

この記事では、5つのプランの実額・除外期間・地震による通行止めの影響・損益分岐の考え方を順番に整理し、「買うべき人」と「買ってはいけない人」を先に言い切ります。日帰りで九州を1周したい人、2日間だけ乗り放題にしたい人、家族で九州を縦断したい人、それぞれの読み分けもできるようにしています。

目次

【結論】5つのプランと料金、そして「買ってはいけない人」

まずは結論です。5つのプランの実額を一覧にし、そのあとで「買うと損をする可能性が高い人」を先に言い切ります。

公式ホームページより
プラン利用可能日数普通車軽自動車等(二輪含む)
西部九州乗り放題プラン連続する最大2日間5,900円4,700円
北部九州乗り放題プラン連続する最大2日間5,600円4,500円
南部九州乗り放題プラン連続する最大2日間6,300円5,000円
九州全域乗り放題プラン(3日)連続する最大3日間8,400円6,700円
九州全域乗り放題プラン(4日)連続する最大4日間10,600円8,500円

対象はNEXCO西日本が管理する九州地方の高速道路です(みち旅・2026年8月13日確認)。表示価格は変わることがあるので、申し込み画面で最終確認してください。

買うと損をする可能性が高い人
  • 高速道路をあまり使わない人――区間・時間帯によっては通常料金やETC時間帯割引のほうが安くなる場合があると公式が明記しています(詳しくは「元が取れるか」の章)
  • お盆・GW・シルバーウイーク・年末年始・3連休に旅行する人――そもそも割引適用除外期間で使えません(詳しくは次の章)
  • いま南部九州プラン・九州全域プランを検討している人――地震による通行止めが続いており、通行止めでも返金はされません(詳しくは地震の章)

まず除外期間を確認する(年間で約40日使えない)

ここが一番書かれていない事実です。このドライブパスには「割引適用除外期間」があり、家族旅行が集中する時期がほぼ全部対象外になっています。

2026年度の除外期間カレンダー

区分期間
ゴールデンウイーク4月24日(金)〜5月7日(木)
お盆8月7日(金)〜8月16日(日)
シルバーウイーク9月19日(土)〜9月23日(水)
年末年始12月26日(土)〜2027年1月4日(月)
3連休7月18日〜7月20日/10月10日〜10月12日/11月21日〜11月23日/2027年1月9日〜1月11日/2027年3月20日〜3月22日

この記事を書いている2026年8月13日も、まさにお盆の除外期間(8月7日〜16日)の中です。今日申し込もうとしても、割引価格では利用できません。

るる

大型連休や3連休は使えないんだね

お盆・GW・シルバーウイーク・3連休が全部除外という意味

上の表を合計すると、年間で約40日が割引適用除外期間です。GW・お盆・シルバーウイーク・年末年始・主要な3連休をすべて含んでおり、これは会社員や学生が実際に休みを取れる日程とほぼ重なります。

つまり「家族旅行で九州を回りたい」という一番多いニーズのタイミングで、このパスは使えません。旅行の日程を決める前に、まず除外期間に当たっていないかを確認してください。

逆に「狙い目」はいつか

平日が一番割引率がいい

土日は、休日割引があるのでそこまで割引率高くなりませんが、平日にまんきつドライブパスを使うとかなりお得になります。

【2026年8月時点】地震による通行止めで、いま買うと損するプランがある

2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震により、九州自動車道と南九州自動車道の一部区間では、2026年8月13日時点でも一般車両の通行止めが続いています。ここでは、ドライブパスの購入前に確認してほしいことをまとめます。

九州道 松橋IC〜えびのIC、南九州道 八代南IC〜田浦IC が通行止め(2026年8月13日時点)

2026年8月13日時点で、九州自動車道の松橋IC〜えびのIC間は一般車両の通行止めが続いています。8月11日に緊急車両の通行は全線で可能になりましたが、一般車両の通行止め解除には至っていません。

南九州自動車道も、八代南IC〜田浦IC間が通行止めです。一般車両の通行再開は2026年8月後半が見込まれていますが、余震が続いているため前後する可能性があります。

通行止めでも払戻し・差額返金はされない(公式の規定)

みち旅の利用規約には、次のように明記されています。

通行止め(悪天候や事故等)などにより、実際に通行した区間の通行料金の合計が本プランのご利用料金を下回る場合でも、払戻し及び差額の返金は行いません。

ぎゅぎゅっと九州まんきつドライブパス 利用規約(みち旅)

通行止めで走れる区間が減っても、支払った金額は戻ってきません。今回の通行止めが自分の走行ルートに関わるかどうかを、購入前に必ず確認する必要があります。

いまは南部・全域プランを避け、復旧を確認してから買う

現時点で通行止めになっている区間は、南部九州乗り放題プラン(6,300円)と九州全域乗り放題プラン(8,400円/10,600円)の対象エリアに含まれます。このエリアを走る予定がある場合は、購入前に最新の通行止め状況を確認してください。

最新の通行止め情報の確認先
  • NEXCO西日本の公式サイト内「交通情報」ページ(通行止め・再開見通しが更新されます)
  • NEXCO西日本の公式X(旧Twitter)アカウント

出発直前にも必ず確認してください。区間が復旧すれば、この章の内容は差し替えます。

元が取れるか:実額で計算する

ここまでの前提を踏まえて、実際に元が取れるのかを計算します。ただし高速道路の区間ごとの通常料金は今回確認できていないため、具体的な損益分岐は✍のプレースホルダーにしています。

ハウステンボス往復(福岡発)で計算すると

自宅からハウステンボス

福岡発でハウステンボスまで往復した場合の、実際にETC料金は平日で8,180円、土日で5,700円。西部九州乗り放題が5,900円なので、土日は使用を迷います。ただ、途中で寄り道することなどを鑑みると乗り放題でもいいのではと思います。

通常料金・ETC時間帯割引と比べたほうがいいケース

公式が「区間・時間帯によっては通常料金やETC時間帯割引のほうが割安になる場合がある」と明記している以上、乗り放題プランが常に得とは限りません。どちらが向いているかの分かれ道を整理します。

乗り放題プランが向いている人
通常料金・ETC時間帯割引が向いている人
  • 利用日数中に広いエリアを何区間も走り回る
  • 家族旅行などで高速の利用回数自体が多い
  • 除外期間を避けて日程を組める
  • 高速に乗るのが1〜2区間だけ
  • 深夜早朝などETC時間帯割引が使える時間に走れる
  • そもそも走行距離が短い

申し込みの落とし穴

プラン選びと同じくらい、申し込み方法にも落とし穴があります。特に4つ目は「使わなければノーカウント」だと思い込んでいる人が引っかかりやすい点です。

ETC限定。ETCカード番号が必要

対象はETC利用の軽自動車等(二輪車を含む)・普通車のみです。申し込みにはETCカード番号が必要になるので、手元に用意してから手続きを始めてください。

走り出す前に申し込まないと使えない

申し込みは高速道路の利用を開始する前まで、という条件です。当日でも走り出す前ならOKですが、出発の1か月前から申し込めるので、早めに済ませておくほうが安心です。

同一ETCカードで年4回まで(全域は3日・4日それぞれ4回)

同一のETCカードにつき、1月1日〜12月31日の間で年4回までしか申し込めません。九州全域乗り放題プランは3日間プラン・4日間プランがそれぞれ別カウントで年4回までです。5回目はエラーになって申し込めません。

解約しないと、走らなくても回数を1回消費する

予定が変わって結局使わなかった場合、そのままにしておくと年間の申し込み回数を1回消費した扱いになります。使わないと決まったら、必ず解約手続きをしてください。

ここが一番忘れやすい

「走らなかったから自動的にノーカウントになる」わけではありません。天候不順や予定変更で使わないことが決まった時点で、解約手続きを済ませておきましょう。

変更・解約の締切は利用開始日の23時59分

プランの変更・解約ができるのは、申込時に設定した利用開始日の23時59分までです。旅行の予定が変わりそうなときは、日付が変わる前に手続きを済ませてください。

付帯特典とマイレージ

ドライブパスには、料金以外にも知っておくと得なポイント制度があります。特にETCマイレージのキャンペーンは、条件を1つでも外すとポイントが付かないので、申し込み前に必ず確認してください。

このキャンペーンは現在も実施中です(対象となるドライブパスの一覧ページの記載、およびドライブパス側の告知から確認)。ただし公式ページ上には「実施期間:2022年11月7日〜2023年3月31日」という古い期間表記がそのまま残っています。終了日がいつなのかはこの記事では確認できていないため、申し込み前に必ず最新の実施状況を確認してください。

ドライブパスは「マイレージだけは併用できる」枠

ドライブパスは、深夜割引・休日割引といった他の割引とは基本的に併用できない仕組みです。しかし、ETCマイレージサービスのポイントだけは別枠として付与されます。さらに条件を満たすと、通常ポイントに加えて販売価格の15%分が追加で付与されるキャンペーンが行われています

なお、「本ドライブパスはETCマイレージポイント以外の割引とは重複して適用されない」という記載は、九州以外のドライブパスの留意事項で確認したもので、ぎゅぎゅっと九州まんきつドライブパスについての原文はまだ確認できていません。申し込み前に、申込画面の留意事項も確認してください。

いくら戻るのか(プラン別のポイント計算表)

通常ポイントは販売価格の10%相当(10円=1ポイント)で、そこにキャンペーン分の15%が追加されます。九州の5プランに当てはめると、次のようになります(普通車・公式の付与ルールから算出)。

プラン販売価格(普通車)通常ポイント+15%キャンペーン合計
北部九州(2日間)5,600円560pt840pt1,400pt
西部九州(2日間)5,900円590pt885pt1,475pt
南部九州(2日間)6,300円630pt945pt1,575pt
九州全域(3日間)8,400円840pt1,260pt2,100pt
九州全域(4日間)10,600円1,060pt1,590pt2,650pt

公式は「平日昼間通常料金の約3割お得にご利用いただいているドライブパスが、さらに1割お得になり、合計約4割お得にご利用いただける」と説明しています。ただしこれは1ポイント=1円で還元した場合の目安で、利用する区間や走行回数によっては3割お得にならない場合があるとも注記されています。

軽自動車等の価格でも同じ計算式(10円=1ポイント、+15%)が成り立つと考えられますが、公式には軽自動車の計算例が示されていません。この部分は要確認としておきます。

適用条件は3つ。1つでも欠けると付かない

この15%キャンペーンは、次の3つをすべて満たしたときだけ適用されます。

  1. ETCマイレージサービスに事前登録していること。未登録の場合は、ドライブパスの利用開始日23時59分までに登録を済ませる必要があります(登録済みなら追加の手続きは不要です)
  2. 登録したETCカードでドライブパスを申し込むこと
  3. 申し込んだ利用期間が平日のみであること(平日=月〜金で祝日を除く。休日=土・日・祝)

ここで落とす人が多い:申込期間に土日祝を1日でも入れたら終わり

公式がわざわざ例を挙げて説明しているのが、この落とし穴です。「実際に走った日」ではなく「申し込んだ利用期間」で判定される点が誤解しやすいところです。

公式が示す「適用外」になる例
  • 3日間プランを木・金・土で申し込み、実際に走ったのが木・金だけだった場合→申込期間に休日(土)を含むため適用外
  • 3日間・4日間プランで、平日の間に祝日を1日でも挟む場合→適用外
  • プランの利用期間より短い日数で使うこと自体は可能(2日間プランを申し込んで1日だけ利用するなど)。ただし平日のみで使いたいなら、利用期間そのものに休日を含まないように申し込む必要があります
  • 利用当日に申し込む場合は日付をさかのぼれないため、このキャンペーンは適用されません

3日間・4日間プランで平日をまたぐときは、カレンダーで祝日を先に確認してから申し込んでください。

ポイントが入るのはいつか

STEP

通常ポイント――利用した月の翌月20日に付与されます。

STEP

キャンペーン分(+15%)――通常ポイントの1か月後、利用した月の翌々月20日に付与されます。

ドライブパスを利用しなかった場合や、条件を満たさなかった場合はポイントは付与されません。

申込者限定の特典(観光施設で使えるものもある)

マイレージのほかに、ドライブパス申込者限定の特典もあります。

その他の特典

観光施設等で割引が受けられたり、利用後のアンケート回答で商品が抽選でもらえたり、対象SA・PAで使える100円割引クーポンなどがあります。

九州にはもう1つ「施設セット」のドライブパスがある

九州向けのドライブパスは、この記事で扱う「まんきつドライブパス」と、もう1つ「ぎゅぎゅっと九州 マリンワールド海の中道ドライブパス」の2種類だけです。マリンワールド海の中道ドライブパスは、九州で唯一「高速乗り放題+施設入場」がセットになったプランです。なお、このマリンワールド海の中道ドライブパスも、上で紹介したETCマイレージ15%キャンペーンの対象に含まれています。

入場料込みでどれだけお得になるかは条件次第で変わるため、この記事では深く扱いません。詳しい実額の検証は別記事で扱う予定です。

私が実際に使って分かったこと

ドライブパスは平日利用がかなりお得

ハウステンボス行く際は、西部九州乗り放題、宮崎に行く際は、九州乗り放題など目的地によって使い分けてください。
そして、平日ならほどんどの場合お得になりますが、土日が絡む場合は休日割引があることを忘れずに料金を計算してください。

よくある質問

九州全域乗り放題プランの料金はいくらですか?

普通車は3日間プランが8,400円、4日間プランが10,600円です。軽自動車等(二輪含む)は3日間プランが6,700円、4日間プランが8,500円です(2026年度)。

何回まで申し込めますか?

同一のETCカードにつき、1月1日〜12月31日の間で年4回までです。九州全域乗り放題プランは3日間プラン・4日間プランがそれぞれ別に年4回までカウントされます。5回目は申し込めません。

当日でも申し込めますか?

高速道路を走り出す前であれば当日でも申し込めます。出発の1か月前から申し込みが可能なので、早めに済ませておくと安心です。

バイクでも使えますか?

使えます。対象は「ETC利用の軽自動車等(二輪車を含む)・普通車」なので、二輪車も軽自動車等の料金区分で申し込めます。

キャンセルはできますか?

申込時に設定した利用開始日の23時59分まで、変更・解約ができます。使わないと決まったら、期限までに必ず解約してください。解約しないと年間の申し込み回数を1回消費した扱いになります。

1日だけのプランはありますか?

現在のプランはいずれも「連続する最大2〜4日間」が単位で、1日単独のプランはありません。2日間プランの中で実質1日だけ利用することは可能です。

まとめ:あなたは買うべきか

結論
  • 高速道路をあまり使わない人→買わないほうがいい可能性があります。まず区間の通常料金・ETC時間帯割引と比べてください
  • お盆・GW・シルバーウイーク・年末年始・3連休に旅行する人→そもそも対象外です。日程をずらせるか確認してください
  • いま南部九州・九州全域プランを検討している人→通行止めの復旧状況を確認してから申し込んでください

逆に、除外期間を避けて広いエリアを何区間も走り回る予定なら、このパスは実額でも有力な選択肢です。まずは自分の旅行日程が除外期間に当たっていないか、そして今回の通行止めエリアと重なっていないかを確認してから申し込んでください。

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